アーカイブ 研究者の皆様へ

このページは 2021年6月の記事です

 

実験風景

毎日の研究ご苦労様です。

せっかくのご研究です。その中から発明を見出し、早く、手堅く出願出来ると良いですね。

目指すは・・・

発明を見出せる研究者

早く出願できる研究者

手堅く研究に応用できる研究者

このような研究者になるには

①発明を見出すのに必要な特許の基礎的知識と

②特許を手短かに調べられるスキルを

身に着ける必要があります。

「手短に」とは30分くらいのイメージです。

短時間であっても、ポイントをついていれば、審査の仮定で指摘されるような公知例が見つけやすいです。また自分自身で調べると、目にした様々な特許の情報が頭の中に自然にインプットされ発想の「引き出し」が増えてきます。それに伴って研究も充実してくるはずです。

 

評価(や分析)が中心のご研究の場合

評価方法や分析方法を書きたくなるものですが、分析センターのようなお仕事(分析そのものが商品)でないかぎり秘匿すべしとして出願を止められる事が多い様です。

しかし見方を変えると評価や分析を行っている方は、開発中の商品の課題が具体的に明確化できるわけです。これは素晴らしい事です。特許は課題と解決手段がセットです。解決手段は開発担当者様が〇〇を添加してみようというような形で導かれ、その時の技術水準に大きく依存します。それに比べると課題は普遍的なものが多いです。それを意識した上で、課題を具体的に指摘し、解決手段を評価してベストモードを導くと出願の価値が高まります。複数の評価項目でそれぞれ異なるベストモードを見つけておくと出願後様々な局面で役に立つでしょう。更に、別の技術で解決できないかも考えて見ます。これは他社の回避手段を先回りしている事にもなります。それも出願できれば物凄く強い特許網になる・・と思いませんか?

皆様が①と②を身に着けて頂けるようセミナー行っています。

セミナーのページをご参照ください。

質問やご要望のある方はメールでお知らせください。

 

 

 

 

 

コラム

特許調査は時間がかかるもの・・・と思っていませんか?

1990年代までは特許公報を手めくりする必要があり検索にも内容確認にも時間と労力が必要でした。

************体験談*************

4/1ある分野の技術を把握することになりました。技術資料室に電話をかけて調査打ち合わせを予約します。打合せ日4/8に出張してあれこれお話しするとPATOLISとか言うマシンに電話の受話器をくっつけて「ピー、ゴロゴロゴロ」という音を聞きます。「接続できた」と言われなにやらコマンドらしきものを打ち込んでいくと「対象は633件ですが全部見ますか?」と聞かれ、全部欲しいと希望します。するとその場で見られると期待していると「633件を出力するには多大な時間がかかるので、センターで印刷したものを郵便で送ってもらいます」と言われます。職場で待っていると4/11紙が入った段ボールが届きます。開けてみると先日検索してもらった結果が入っています。早速見てみると要約と図面しかありません。全部見たいので図書へ行って公報を取り出してコピーします。古い時代のものは書架スペース制約のためマイクロフイルムに収録されておりビュアーで確認しながら印刷していきます。4/20こうして633件の明細書を手にするとこれを読んで行くわけですが633件は1万枚を超えますからゼロックス用紙500枚入りを20-40冊積み上げたボリュームとなります。通し番号付けてノートに要点を抜き出しながらこの技術分野の全体像を頭に入れて行きます・・・・。ひと月くらいかけて整理し5/30レポートにしました。そうすると「こんなに沢山よく読めましたね」と上長に褒められ期末表彰の時期に別の部署の部長さんにも「すごいね~」と声かけられ・・・。

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これ自慢話ではないのです。このくらい時間と手間がかかるものだったという実例なのです。(4/1に思いついてレポートが5/30)

しかし今やインターネットとツールの発達によりデスクで調査が可能な時代です。検索はその場で可能ですし検索結果もエクセルにして簡単に整理できます。633件なら直ぐ終わりそうですね。

私達サーチャーが使う調査ツールも皆様がお使いの調査ツールも大きな差はありません。コツを知っているかどうかだけです。コツとはどんなものなのでしょうか? その一つは単純化する事です。一言でスパッと言える。そういうコツを掴めば僅かな時間で有用な情報が得られ、読めば読むほど「引き出し」が増える・・・美味しい話ですね。今、身に付ければずっと使えます。

 

 

 

 

 

 

 

この記事は研究を始めて少し経った方を想定して書いています。ベテランの方、サポート部門の方も後押しして頂けると幸いです。

また記事はベーシックな知財教育(特許教育)を受講終えた方を想定しておりますので、未だの方は別途学習ください。下記は解りやすく書かれています:

知的財産管理技能検定公式テキスト(2級または3級)知的財産教育協会

皆様が特許情報を上手に活用しアグレッシブに研究開発を進めて行けますよう!! 所属されている企業様の国際競争力が高まって行きますよう!! 願っています。

 

 

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