アーカイブ 研究開発リーダーの皆様へ

このページは 2021年6月の記事です

 

 

毎日のご研究ご苦労様です。

皆様のチームメンバーが、どうしたらもっと特許を書けるようになるか、どうしたら無効資料を探せるようになるか、どうしたらもっと戦略的に進められるか・・・というお悩みありませんか?

 

以前、改革チームを作って同様の悩みに取り組んだ事が有り、「特許調査の3要素」を整備すると改善しやすい、というのが一つの結論です。参考にしていただければ幸いです。

また弊社のサービスは「特許調査の3要素」に立脚したものとなっております。こちらもご覧頂ければ幸いです。

 

***「特許調査の3要素」説明***

 

特許を調べるのに必ず必要なのがデータベースです。J-Platpatのように無料で提供されているもの、有料で提供されている商用データベース、メーカー様で独自に構築されているもの等があります。また出願動向などを戦略的に捉えるには方法論に立脚したフレームワークが有る方がベターです(誰でもある程度のレベルで分析可能になります)。これらによって年間に300万件以上出願される特許から効率的に抽出し目的に応じて整理する事ができるようになるはずです。最近は処理能力が高い商用データベースが開発されAI機能付もあります。開発された方に敬意を表したいところです。整理する為のフレームワークも沢山知られていて分析ソフトに組み込まれているものも有ります。

 

特許の基本知識については、研究開発現場、知財部門、特許調査会社など特許に携わる方は必ず学習する事になっていて十分な知識をお持ちのはずです。しかし例えば「特許って何ですか?」とおたずねすると答えに窮する方が多いのも事実です。特許を取り扱うには「特許とは何か」など重要ポイントは自分の言葉で簡潔に言える必要があります。なんとなくテキストを覚えているだけでは対応方針を決められず上司や同僚に頼った方も多いのではないでしょうか? 特に化学系には選択発明が多く存在します。選択部分に進歩性が認められると同時に新規性も認められますから、これを知らない方は(私も知りませんでした)、ご自分の研究の中の発明を抽出しづらく、無効資料も探しにくいはずです。

 

そして沢山の事例からわかったことはこの第三番目のポイントの重要性です。どんなに素晴らしい道具があっても勝手な解釈を展開しては結果に結びつきません。仮に10人のグループを考えますと2人くらい単純化して「一言で」いう力があります。他の方々は様々です。発明ポイントを答えて頂こうとすると、従来技術を列された挙部分から説明される方や、難しそうな解説を延々とされる方、過去の経験を真っ先に講釈する方などもいらっしゃいます。なにか凄い事を返答しなければならないという「使命感」を感じる方もいらっしゃいます。難しそうな言い回しになっていたり、沢山の知識をご披露頂いたり・・・・。この状況を見ていますと、日常の研究活動の中でも、研究データを自分の想いに合わせて都合よく解釈したり脚色したりするのではないかと心配になる事もあります。このような方が研究チームに含まれていると方向を間違えないように上長さんが度々チェックする事が必要でしょうね。

弊社で推奨している調査法は「単純に考える」「原理にばらして考える」です。一見複雑に書かれている明細書も「三行要約」にして捉える訓練によって「一言で」言えるようになってきます。「三行要約」とは発明の課題・解決手段とその原理を一言ずつで表現するものです。

ここで興味深いのは「三行要約」の練習によって「単純に考える」を鍛えると、論理的思考能力が少し向上する方が登場してくる事です。

論理的思考能力の向上につきましては、人事系研修会社様がロジカルシンキングのトレーニングのメニューをお持ちです。また論理思考のセミナーや教科書など色々出ています。弊社が推奨している「三行要約」の練習はこれらのトレーニング法よりずっと簡単で、しかも日常の研究開発業務に直結しています。日々特許抄録の分担が回ってきますね。その時「三行要約」を書いてみます。抄録会等で他人に伝えてみます。またはご自分の出願案を「三行要約」に書いてみてご自分で公知例が無いか特許調査を行ってみます。直ぐにご自分に結果がフィードバックされますから繰り返して行くうちに上達を図ることが出来ます。

あるグループでは2人くらいの方がその日のうちに単純化が出来るようになり残りのうち3人くらいの方も何度か繰り返して身に着けて頂けました。後日上長さんに確認するとチームのパフォーマンスが少し改善したそうです。

単純化する力と日々の研究のアウトプットには相関があるのかもしれません。

 

 

これを特許調査の3要素と呼んでいます。

 

 

 

 

 

 

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