AI調査ツールが登場して10年になります。期待は大きいものの本職代行としては使っていません。昨年は生成AIが導入されました。質問に対して自然な回答が返ってきます。これは凄い!! しかし論点を捉えられていませんのでまだ代行は難しいです。しかし日進月歩の分野ですから次の進歩が楽しみです。
ところで、AI時代は、私たちの様な、自分の目で見て、自分の頭で考えて行う調査は不要になるのでしょうか?
そうでは無さそうです。あるメーカー様が調査を全面的にAIツールでやる事にしたそうです。ご担当の方に聴いてみると、AIで能率が上がったとおっしゃってました。え? 能率?? AIがやるのなら人は不要、人員を減らせたのでは? と思って聞いてみると、人が全数チェックしているそうです。AIの結果には、少しエラーが混じるので、チェックはかかせないとか。それでも、重要そうな順番で並べてくれるので能率は良いそうです。私も重要な順に調査しますがAIは使っていません。
AI時代だからこそ自分の目で見て精度を高めているそうです。
生成AIについては報告文章まで書いてくれるので凄いと思います。それだけに自分目で確認しないと誤った判断をしていまう怖さを感じます。
生成AIが本物と見分けがつかないような記事や画像を生み出している、SNSでは真偽が確かめられないまま拡散し話題を形成している・・・歴史学者のユヴァル・ノア・ハラリ氏はNHKのインタビューで「心地よいものに作り上げられたフィクションはSNS等で拡散しやすく世の中が間違った方向に進む危険性がある」と警鐘を鳴らしています(NHKあさイチ2025/1/23)。
幸い、私たち技術者は、特許という政府機関によって保証された情報源を持っています。これを適切に活用していくと、情報の真偽をある程度評価できるようになり、私たちの研究はより適切な方向に進むと期待できます。
つまり自分の目で見て、自分の頭で考える事は、ますます重要になり、AI調査の修正が出来るスピードが必要となりそうです。
そのような想いで特許調査を行い、その特許調査で使っているノウハウを本やセミナーで公開しています。
皆様の一助になれば幸いです。