みなさまいつも情報ありがとうございます。
現在生成AIのトライアルを実施していますが
「え、そんな指示も必要なの?」と思う事ばかりです。
生成AIには具体的な細かい指示が必要の様です。
過去に、実験効率を高める取り組みをした際に
議論した内容の続きです。
(ここに書くことはメーカー研究所のご経験が無い方にはショックかもしれません。)
幾つかのメーカー研究所には2種類の人がいます。
AとBで表してみますと、それぞれ定義は
A・・・研究者(研究を行う人)
B・・・実験補助(研究者の指示で実験を補助する人)
です。
特許の観点で書きますと
A・・・発明人口になる人
B・・・発明人口にならない人
に分かれます。
発明者認定基準では、指示によって実験を行う補助者は発明者ではありません。どんなに苦労して実験を進めても、どんなに沢山のデータ採りをしても、発明者ではないのです。
A人材の多くは大学で学んだ方です。それぞれご自分の専門分野があります。B人材の多くは地域の高校などから採用された現地採用の方です。但し、これらの方の中には大学卒ではなくても熱心に勉強しご自分の専門分野や視点を持つ方もいて、最初はB人材としてお仕事を始めていても、いずれ能力が認められてA人材に変更される方もいます。従って、研究所の中は自分の視点で考えられるA人材(発明を生み出す人材)と、A人材の指示によって実験を補助するB人材に分かれます。
なぜ今これを書いているかと申しますと
生成AIには「細かい指示が必要」の様だからです。
A人材には細かい指示は不要です。A人材は課題に対する要点を伝えると自分で仕事を組み立てていきます。更にベテランになると今取り組むべき事は何か、課題設定も自分で行います。
一方B人材には必ず細かい指示をします。この点、生成AIと共通します。
弊社で行っている特許調査は、メーカー様と議論して進めます。その際、技術内容など詳しくお聞きします。しかしどのように調査を組み立てていくかの細かい指示は頂いておりません。なぜなら議論しプレ検索などを行って初めて調査の組み立てが可能となるからです。
「細かい指示」ではないので生成AIの事情には合わないのかもしれません。
特許調査には定型化されたものがあり、業務の多くが定型となっている特許調査会社もあります。指示書によって依頼し定型の報告書が戻ってくるような調査は定型に近いかもしれません。定型に近い業務は生成AIに置き換えられる可能性がある、として、情報フェアなどが盛り上がっているのかもしれません。
しかし得られた結果の品質に疑問がありますし、原因も調べようがありません。このあとのBL0014をご覧ください。品質の事を事例とともに考察しています。