ST法 特許リーディング法

一年の計『特許リーディング法』5 この発明の原理は?

最近の特許リーディング法のセミナーでは、「サッと読む」「詳しく読む」と題した特許をスクリーニングする時のコツ/技術内容を読み込む時のガイドラインに加え、「三行要約」も学習頂いています。
「三行要約」は、特許の内容を
1行目 〇〇の課題を
2行目 〇〇で解決
3行目 その原理は?
で表します。
自分の言葉、出来るだけ短い言葉で
が留意点なのですが
【本発明の課題】や【請求項】のコピペになる方が多いです。
これでは特許の技術知見を現場の議論に活用できません。

模擬例
リチウムイオン電池のセパレータの耐熱性を議論している時に
「溶融ポリオレフインをダイから押し出して薄膜を形成した後延伸して多孔膜を得る微多孔膜の製造方法であって、、」と朗読すると、何が言いたいの?と周囲が苛立ちます。
しかし、三行要約的に伝えると、例えば「この特許はセパレータのメルトダウンの課題を、製膜時の急冷により解決してますよ」と発言すると、何々?と周囲の関心を集め、どの程度耐熱性が上がったのか?など議論になるでしょう。「原理はポリマーの焼入れ効果と見ています」と説明すると、そんな原理があるの!? ともっと議論が進むでしょう。

実際に、三行要約は研究所で使っていた手法です。特許出願件数が極端に低いグループで三行要約の練習をすると、特許が少しずつ書けるようになって来ます。
日常の研究データの中に発明ネタを見出しやすくなる効果がその一因ですが、研究そのものが少し前進していると感じることもありました。

またある特許調査会社でも活用しました。この特許調査会社には請求項朗読タイプの方が多く驚きました。最初は「三行要約」は拒否され特許は請求項が本質だと主張されていました。しかし私の調査品質に差がある事がわかると少しずつ真似ていただけるようになりました。

「三行要約」次の一手
1行目と2行目は、何が問題で、どうやって解決したか、を出来るだけ短い言葉で、書く練習をすると、ある程度、出来るようになります。
しかし3行目は難しいと言う方が多いです。どんな原理を使っているかは、明細書に書かれていない事が多いからです。それでもピンと来る人がいます。ピンと来る人は色々な原理が頭に入っている方です。こういう方は、課題解決型のお仕事をされる傾向が強く、課題解決型のメンバーが増えるのは望ましい方向です。

次の一手は、発明の原理を読み取るトレーニング法の整備と考えます。

〈お年玉〉
読んで頂きありがとうございます。

次の明細書を三行に要約してみてください
1行目 〇〇の課題を
2行目 〇〇で解決
3行目 その原理は?

特開2010-095568

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